ホーム » 体験者レポート » 独学ですが、リフォームは愉しい!
体験者レポート 永住田舎暮らし

独学ですが、リフォームは愉しい!

 
岡山県備前市、のどかな田舎風景の一角に古家が静かに佇んでいたのだけれども、小西さん一家との出会いで少し様変わりしましたよ。小西さんの前職は商業写真のカメラマン。大工さんの経験ナシ。しかし自分でリフォーム敢行。そして小西さんのセンスが光り、普通の古家は、なんと、ちょっと違う住まいに変身したのです。

岡山は大阪から近い!
そして、兵庫より安い!

田舎暮らしをしたいと思うようになったきっかけを教えてください。
今までに田舎暮らしに関する色々な話を聞いていたことや、大阪にずっと住んでいると仕事関係のしがらみがあって、いつまでもゆっくりできない。何かで呼び出されるというのがいやになってきたんです。
それに、嫁さんの母親が高齢になってきた。都会より田舎に住めば、3人がゆっくりできるのではないかなと、考えたからです。
(今日、奥様はお孫さんが生まれるということで東京に行っておられるんでしたよね。
初孫になられるんですね、おめでとうございます。

生まれたら私も東京に行く予定です。男の子なんですよ。)

田舎暮らしは、奥さまも賛成でしたか?
 当分は通い妻で・・・。働いていたので、週末だけ大阪からようすを見に来るという考えだったみたいです。

でも、1年がかりで家を探したんですけど、2人でドライブしながら探していると、だんだん、田舎暮らしへの考えに変わってきたようで。この家を見つけたときは、大阪の家を閉じて、こっちへ来たいって、最後の方は乗り気でしたね。
結構おもしろがっていました。ここは二人とも気に入った家です。

どんなところが気に入られましたか?
 周りの風景と広さ、値段ですね。
近所とひっついてないので、トラブルもあんまりないだろうということ。
広さも三人で住むのに、ちょうど良かった。
家の状態とか周りの状況を気に入って、決めるときはぼくより嫁さんの方が、ここ
にしようって、一発で決まりました。
嫁さんがまず、気に入らないとまずいなと思っていたんで、良かったです。

家の改修について奥さまからの要望はありましたか?
いえ、それは全然。ぼくにまかせっきりで感知しないです。
前の家も、ぼくの設計だったし、そういう面では絶対口を出さないですね。

室内

便器って意外と
高いんですよね

修理は予算通りにいきましたか?
最初は蓄えもあったんで、やりたいように出来たんだけど、自分でやるのってだんだん欲が出てくる。途中からは、もったいないからこんなんでいいんじゃない?って多少要望を抑えていきました。
嫁さんは現状のままでも構わない感じでした。ただ、ぼくが凝りだした。自分がやるので日当はタダなんだけど^^;
仕事関係でツテがあって、材料は半額で購入。それでもなんだかんだと高くつくなあって思いました。トイレの便器も初めて買ったんだけど、TOTOのを半額で。便器って意外に高いんですよね!

水洗便所は、傾斜角度など難しかったのでは?

作るのはそんなに困難ではなかったんですよ。建築関係の本を読んで、ユンボを借りて、掘って、傾斜もうまくいって・・・。
ただ、うまくいかなかったのは、この地域は、専門業者が申請して工事をしないと受け付けないというのを知らなかった。登録の15万円を払いに行ったら「一 般は受け付けない。業者を通してくれ」と言われたので、業者に申請を頼んだら「自分が工事しなければ登録申請書は書けない」というんですね。
これには困りました。

結局、ぼくが掘ったところを掘り返して、3ヵ月しか使ってない材料も新しい材料で作り直し。二重にかかった費用、10万円の損失でした。
地域によってはこんな問題もあるんだなあって。でも周りの人も知らなかったんですよ。ユンボを借りたとこもガス工事の人も知らなかった。自分で工事をするという前例がなかったからですかねえ。

便器って意外と 高いんですよね

当社も知らずに申し訳ございませんでした。
ところで小西さんは商業写真のカメラマンでいらして・・・、(リフォーム最中のスナップ写真を見せていただきながら)でも大工仕事も難なく・・・堂に入ってますね。

そうでしょ?材木を運んでくれた業者さんも、ぼくを大工さんと間違えていました。

ユンボ

屋根瓦のずれも、これはぼくが大阪にいるときに、地元の業者さんにたのんで直してもらっていたんだけど、梅雨どきに雨漏りしていたんです。
半年も前のことだし、自分でゆっくり直していったらできるから、もう業者さんには言わず、自分でやり直したんです。

天井

へ~、すごいですねえ。専門家顔負け!
これから自分でリフォームしたい方にアドバイスをお願いします。
 ぼくは天井から直していったんです。寒かったんで、床からより天井から風がはいらないように。

床下

素人でも、根気さえあったらできると思うのだけど。
リフォームはむずかしいですよ。こっちとむこうの巾が違ったり、高さが違ったり・・・。
ひとつひとつ計りながらやらないといけない。たとえば45cm幅と決まっている規制のやつがあわないんです。ホームセンターに床材で結束してあるのを買ったら板が反ってしまっていた・・とかね。

計算どおりにはいかないんです。
まずは一部屋やってみる。そうするとわかる。次はこうやってみようという工夫も出来る、ということですね。
ぼくはひとりでやったので1年くらいかかりました。重たいものを持ち上げるときも、右を持ち上げて今度は左を持ち上げてって・・・時間がかかりますよ。

スナップ

途中でいやになったりしませんでしたか?
それはないですね。 リフォームは自分の性格にあった仕事でした。
自分の思い入れを織り込みながらの作業は楽しいですね。

壁面
部屋の家具もお気に入りを厳選して。
廊下はミニギャラリー。壁を思い切って赤にしてみた。なんとなく元気が湧くスペース。

 

コミュニティの参加は
率先してやっています

玄関のすき焼き鍋の呼び鈴、おもしろいですね。近所の方の反応はどうですか?
みんなたたいてくれますよ、おもしろいって。
意味はないんだけど門柱のとこにもレンズ乗せたり、玄関前にお皿を並べたりしてます。 いろんなところで、「あんた何してんねん」「へ~ってここまでするか」って言われます。
この地域の人はみんな知ってくれていますね。

小西さんのおかげで地域も活気づいて良かったですね
ここでは、ぼくでも若手やからね。90歳の人を筆頭に、高齢化が進んでいます。
ここの集落はみんな仲良しですね。ぼくもコミュニティの参加は率先してやっています。
田舎からの情報発信ではないですが、大阪に行くときは、捨てるようなキュウリとか持っていくんですよ。売ってるやつよりおいしいっていって食べてくれる。
で、大阪からのお菓子を買って帰ってみんなに食べてもらったりしています。

三味線
山小屋をイメージしてリフォームしたリビング。三味線の譜面台も手作りです。


庭に蝋梅が咲き、もうすぐ春。
今後の作業は外断熱をして、家が重厚にみえるように焼き杉の板を貼ります。塀のブ
ロックなども直していく予定だそうです。
また、家の裏に無料で借りた畑があるので、家庭菜園も始めます。
最後に、小西家の三文の徳を教えてもらいました。「はや寝、おそ起きは暖房費の節約」ということですよ!

畑の様子

取材日:10.02.14

Copyright © 2015 Sizento kurasu Co., ltd. All right reserved.