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ガンをきっかけに一念発起!週末田舎暮らしで元気ハツラツ

 
兵庫県の加古川から週末通いで田舎暮らしを楽しまれている石田様。造成から家の建築までほとんどひとりでされたというお宅にお邪魔して、ここでの暮らしぶりについてお話をうかがいました。

◆この暮らしをしたいと思ったきっかけは?
土地を買って自分で家を建てたいという気持ちは前からあったんですが、なかなか実行するまでには至っていませんでした。ところが、ある時ガンを患いまして、「人生いつ死ぬかわからない、生きているうちにやりたいことをやろう!」と思い立ちました。まだ土地も決まっていないけど、療養中の病室では建てたい家のイメージを紙の上に書いたりして過ごしました。

◆この土地に決めたポイントは?
最初は住んでいる兵庫県で考えていたんですが、都市計画区域外で条件の良い土地というのがなかなかないんです。ある時、岡山の「自然と暮らす」さんのことを知り、当時発行されていた会報誌を購読しはじめました。私が考えていた土地の条件は、前に道路があって車が入れること、すぐに電気が引けることでした。会報誌でこの土地を見つけ、現地見学に来てみたら条件に合っていたのでここに決めました。価格が手ごろだったのもよかったですね。

療養中のベッドで書いた家の設計図

吹き抜けと天窓で家の中は解放的

◆大型のログハウスですね。ご自分で建てられたんですか?
建物の基礎だけは業者にやってもらいましたが、あとはほとんど自分ひとりでつくりました。ログハウスの材料は当初は太鼓挽きを考えていたんですが、思った以上にコストがかかるし、長いものだと重くて一人では扱うのが大変なんですよ。それで2本の角材を接着して1本にして積み上げていく方法をとりました。少しずらして合わせて相じゃくりにすることで、すき間ができないように工夫しています。一階部分は順調に進みましたが、そこから上は足場も延長しないといけないし、木材を上げるのも一苦労で、ひとりでは大変でしたよ。屋根材を上げる時だけ職場の若い衆を焼き肉で釣って手伝ってもらいました(笑)。

建築中のログハウス

2本の角材をくっつけて1本に

◆完成までにどれくらいかかりましたか?
この土地はもともと傾斜地だったので、まずはユンボを買って土地の造成からはじめました。当時はまだ土木関係で現役で働いていましたので、週末や連休などを使って造成だけで1年かかりました。ログハウスも完成までに1年くらいかかったので、あわせて2年ですね。その後も風呂やトイレを設置したりといろいろありましたが。

造成期間

この深さをユンボ1台で造成した

◆電気・ガス・水道は?
電気がないと何もできないので、土地を買ってまず何よりも先に電気を引きました。カセットコンロを使ったり、冬場の暖房は薪ストーブを使ったりすることもありますが、基本的にはオール電化にしているので、ガスは使っていません。水はため池が敷地内にあるので、井戸を掘ればきれいな水が出てくると思ったのですが、このあたりの水は鉄分が多く飲用には適さないことがわかりました。そんなとき、タイミングよく前の道路の工事がはじまり、近くまで来ている水道管を引けることになったんです。負担金は100万円ほどでした。

◆近隣の方との交流はありますか?
すぐ近くに同じような暮らしをしている方がいて、いままでいろいろとお世話になりました。水道もその方と折半で引き込むことができたんです。また、週末利用ですが地域の自治会にも参加して、草刈りを手伝ったりもしていますよ。

◆ここではどんな風に過ごされているんですか?
友人知人が遊びに来ることもあって、時には20人以上が宿泊したこともありますよ。普段は畑作業をしたり、草刈りをしたりしています。冬は手作りの囲炉裏で鍋を食べたりしてゆっくり過ごしています。私は毎週来ていますが、妻は年に2、3回来る程度ですね。放し飼いにされているんです(笑)。

玄関前の広いデッキ

畑にはカボチャが豊作

家ができるまで寝泊まりしていた自作のコンテナハウス

お手製の石窯

◆これから田舎暮らしをしたい方へ伝えたいことは?
近所づきあいはしておいた方が良いと思います。できれば自治会にも参加することをおすすめします。防犯の面や何か困ったことがあった時など、力になってくれるのはやはりご近所の方たちなんですよ。実際に近くで火事があった時に、私の敷地の池の水を使って消火作業をしたこともあるんです。農作業のことなどもいろいろと教えてくれますしね。あと、畑をやってるとイノシシなどの被害がありますが、どんなに対策をしてもダメなときはダメなので、あきらめも肝心ですね。今日もまた荒らされてますよ(笑)。

※取材後記※
田舎暮らしを憧れのまま終わらせず、「人生いつ死ぬかわからない、生きているうちにやりたいことをやろう」と決意してから十数年。今後の計画は?という質問に、「ありません。やりたいことはすべてやりました」と話す石田さん。かつて大病をしたとは思えないほど健康的でハツラツとした印象でした。「ここは私の趣味みたいなものです」と語る石田さん。ほとんど毎週欠かさずに訪れるというこの場所が、健康の秘訣なのかもしれません。(2018年8月取材)

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