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沢水を生活用水とする利用例

 
この写真は、沢水を家に引き込んでいる取水口の部分です。黒い塩ビパイプにいくつもの穴が空いています。電動ポンプ等は一切使わない沢水の取水、どのような仕組みをしているのでしょう。この取水口から家までどのように水を供給しているかを写真と図でまとめてみました。山での使用例ではありませんが、参考になさってみてください。

山からの配管

場所は、岡山県美作市の北部に位置する山あいの小集落です。現在、7世帯の集落で、住人の全てがお年寄りという、限界集落です。
この集落には、数年前に市の公営水道も整備されましたが、昔のままの沢水を今でも利用されているお宅があります。
取水口から家までの配管がどうなっているか図にしてみました。

沢水を生活用水として利用するための配管方法例

【高低差を利用】
家から取水口までおよそ200m。
その高低差によりポンプを利用しなくても、蛇口をひねれば水が出ます。
都会のビルの屋上に取り付けられた、貯水タンクと同じ理屈ですね。

【メンテナンスは常に必要】
200mの距離、ホースを地中に埋めたり、川底を通していたりします。大雨などの際、ホースの固定部や結合部が、外れることがあります。
また、中間タンクの定期的な清掃も必要です。

【水が濁るときもある】
この沢ではめったにないそうですが、大雨の際などに、水が濁ることもあるそうです。

【水が止まることは?】
この場所では、水は年中出ているとのこと。
写真を撮りに行って、お話をうかがったとき(2008年12月)は、久しく雨が降っておらず、川底にちょろちょろ水が流れている状態でした。
それでも、庭先の蛇口からはきれいな水が、ほとばしっていました。

雨が降らない日が続いても、山の地中に蓄えられた水が少しずつ谷間の沢に集まってきているのです。

あるお宅の庭先では、その水で小さな池をつくっておられ、何気なくのぞき込むと、大きな鯉がいました。

※これはあくまでもこの場所での一例です。

【水質検査について】

2軒の方にうかがいました。 1軒のお宅では、「昔からずっと使っている水だから特別に水質検査はしていない」とのこと、もう1軒のお宅では、「井戸もあるので、飲用は井戸水、沢水はその他の生活用水に利用している」とのことでした。

水質については周囲の地形や条件により異なりますので、水質検査は受けるべきでしょう。
その結果によっては、飲用の際には煮沸が必要であったり、浄化設備を検討する必要があります。

また、数年前に整備された公営水道ですが、先の図の取水口の当たり(集落の一番上)に、小さな上水道の貯水タンクが設備されています。

お話をうかがって、「飲用だけでなく、お風呂なども天然の水の方が体に良いし、ずっと今の沢水を使いたいのだけど、年をとってくると配管や貯水タンクの管理が大変だから、後何年かしたら、うちでも上水道を使うようになるだろうな」と、話されたのが印象的でした。

上水道の施設

上水道の施設
集落の一番上に設置されている
電柱もここで終わり
これより山手には畑があるのみ

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